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更新日2018年9月4日
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みなさん、こんにちは!西部消防署富勢分署の横倉です。
7、8月の猛暑を乗り越え、少し過ごしやすい陽気になりましたね。体調管理には気を付けましょう!!
にじいろ通信では、柏市消防局やにじいろ救命女子に関する事を発信しています。ブログを通じて消防の仕事を身近に感じていただきたいと思います。
7、8、9月のにじいろ通信では、富勢分署の消火隊員3人による消火隊にちなんだ内容でお送りしたいと思います。9月のにじいろ通信は富勢分署に配置されている消防車両とPA連携について紹介していきます!!
私が所属している西部消防署富勢分署は、柏市北東部の人口約2万5千人を受け持ち、南は国道6号線やJR常磐線、北は千葉県指定重要文化財の布施弁天東海寺や利根川を管轄しており、多種多様な災害に備えなければなりません。そんな富勢分署にはどのような車両が配置されているのか紹介します。
車両は、災害発生時に即座に出場する車両が4台配置されています。
まずは、一番出場回数が多い「高規格救急車」
次に火災、交通事故、危険物の流出、大雨などオールマイティに出場する「水槽付消防ポンプ自動車」
そして、利根川や手賀沼の水難救助などで救助艇を輸送する「ボートトレーラー」
最後にボートトレーラーのけん引や、災害時の広報活動をする「救助艇けん引車(広報車)」となります。
この4台のほかに、大規模災害時に非番職員を招集して隊を編成し災害現場へ出場する際や、各消防署の消防車が点検などで出場できないときに代車となる「非常用消防ポンプ自動車」、市内各地で行われるイベントなどで人員を多く輸送する際や、大規模災害で多数傷病者が発生した際に多数の軽傷者を病院へ搬送するときに使用する「人員輸送車(41人乗りバス)」の2台を配置していて、合計6台の車両を管理しています。
今回はその中でも、消火隊が主に使用する水槽付消防ポンプ自動車の柏富勢水槽1号車、柏富勢救助艇、柏富勢広報1号車の3台について詳しく紹介させていただきます。
柏富勢水槽1号車は、平成15年2月に旧根戸分署に配置され、現場の水槽付消防ポンプ自動車として活躍している車両としては柏市で一番古い車両となります。
この車両は1,500リットルの水を積載し、主に消火活動を行います。前述のとおり、オールマイティな災害にも出場するので、多くの消防資機(器)材を積載しています。
車内には、空気呼吸器、無線機、救助用ロープ等を積載しています。車両後部のシャッターボックスには、施錠されたドアの開放や障害物の切断に使用するエンジンカッター、二酸化炭素濃度や有毒ガスの有無を調べる検知器、交通事故現場のオイル漏れに使用する油吸着剤、PA連携(後ほど説明します)で使用する救急資機材(AEDや外傷バッグ)、夜間も活動できるように投光器等を積載しています。車両の上部には、高い場所へ進入するための三連梯子や消火器、ブルーシート、スコップ等を積載しています。車両の後部には、消防車が進入できない狭い道でもホースが延ばせるよう、ホースを多く積んでいる電動ホースカーを積載しています。
火災だけではなく、様々な災害に対応できるよう多くの資機(器)材を積載しているので、私も入庁したばかりの頃は、どこに何が積載してあるのか覚えるだけでも大変でした!
先ほどこの車両には1,500リットルの水を積載しているとお話しましたが、火災現場で使用すると2~3分でなくなってしまい、建物1棟などの火災ではその水の量だけではとても消火することができません。そこで使用するのが「消火栓」と「防火水槽」です。「消火栓」や「防火水槽」は道路脇や歩道上などに設置されており、その位置を示すため、標識を掲げているもの、路上や蓋にマーキングしているものなどがあります。消火隊は定期的に「消火栓」や「防火水槽」の調査や点検を行い、いつどこで火災が発生しても直ちに消火活動ができる体制をとっていますが、火災発生時に「消火栓」や「防火水槽」付近への違法な駐車車両が障害となり、消火活動を妨げるケースがあります。「消火栓」や「防火水槽」などの周辺は道路交通法で駐車が禁止されていますので、みなさんのご理解とご協力をお願いいたします!!
柏富勢救助艇は、平成29年10月に新しい救助艇になりました。6人乗りのエンジン付ゴムボートで、利根川や手賀沼などで水難救助を行うための船です。水難救助とは、河川などで何らかの理由で水難事故に巻き込まれた人を救助することです。
資機材は、救命胴衣や救命浮環、レスキュースティック、アンカー、航海灯、消火バケツ等を積載しています。
柏富勢広報1号車は、平成16年2月に富勢分署に配置されました。この車両は、柏富勢救助艇をけん引するときや災害時の広報などに使用されています。車両の前方には、電動式ウィンチが装備されているので、台風で大木が倒れ道路を塞いだときなどの重量物を緊急に移動させたりするときに活躍します。
また災害時には、管内の利根川河川敷内を走行することもあるので、4輪駆動車になっています。救助艇をけん引するので、大型の消防車両とはまた違った運転技術が求められ、後進時は特に運転技術が求められ、私も現在、猛特訓中です!
そして車内には、無線機や原因調査用カバン、メジャー、消火器、胴付ゴム長靴、その他富勢救助艇に載せきれない救命胴衣や救命浮環等が積載されています。
みなさん、街中でサイレンを鳴らしながら救急車の後ろにくっついて走っている消防車を見たことはありますか?
近頃、消防車は火災だけではなく、救急現場にも出場するのです。なぜ救急現場に消防車が?とお思いですよね。現場でもよく「救急車を呼んだはずなのになぜ消防車が?」と言われてしまいます。
柏市では、救急件数の増加や救急活動環境の整備のために平成11年9月1日から救急車と消防車がペアで出場し、救急活動を消火隊がサポート(連携)する制度がスタート、平成17年12月1日から赤い救急車「赤救隊」として運用を開始しました。その後、現在の制度は平成22年2月16日から赤救隊の名称は廃止され、現在の「PA連携」という名称になりました。このときから常磐道出場は救助隊を加えた救急コンボイ出場が開始されました。
消防ポンプ車「Pumper」と救急車「Ambulance」の双方の頭文字から「PA」とし、全国の消防本部で広く使用されています。
救急件数は、毎年増加していて救急車が現場に到着する時間が遅くなっています。そこで、消火隊を効率的に運用することにより傷病者の救護や救命処置などをより迅速かつ確実に行うことで、安全・安心な救急サービスを提供することが目的です。消防車には救急隊員と同じ資格を持つ隊員が乗っています。救急車が到着するまでの間、消防隊員が応急処置をいたしますのでご安心ください!!
ところで、消防車のサイレンですが、火災の時は「ウーカンカンカン」(MP3:122KB)とサイレンと鐘を鳴らして走行していますが、火災以外の災害は、鐘を鳴らさず「ウーウー」(MP3時68分KB)とサイレンだけで走行しています。もし、緊急走行をしている消防車を見かけたら、サイレン以外に鐘を鳴らしているか、いないかで「火災」か、「火災以外の災害」なのかわかりますので、気にしてみてください。
今回のにじいろ通信はいかがでしたか?富勢分署の消防車両とPA連携についてお分かりいただけたでしょうか?
次回のにじいろ通信は10月になります。次回のブログもお楽しみに!!
情報発信元:消防局救急課 にじいろ救命女子
所在地 柏市松葉町7丁目16番7(柏市消防局2階)
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