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更新日2021年1月12日
Fan Fun KASHIWA
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あけましておめでとうございます。
市民の皆様に謹んで新年のお慶びを申し上げます。
さて、昨年を振り返ってみると、新型コロナウイルスが広がったことで社会の在り方が大きく変わり、生活が一変した方が多いのではないでしょうか。
令和2年の柏市の救急件数は、19,178件で、昨年と比べ2,271件減少しました。減少理由は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛や感染リスクを避ける行動が関係しているのではないかと考えています。
令和3年初のにじいろ通信は、逆井分署の関口が「自衛官の父と消防士の私」の親子の話をしたいと思います。
私は、将来の進路として『自衛官』に興味がありました。その理由は、私の父が海上自衛官として働いていたからです!
海で助けを求める人を救うために日々奮闘し、誇らしそうに仕事の話をする父の姿を見て「私も人を助ける仕事がしたい」と思うようになりました。
そんな私が、なぜ『消防』の道に興味を持ち始めたかというと、父から「もともと目指していたのは消防士で、救助隊になってたくさんの人を救いたいと思っていた」という父の熱い思いを聞き、人を助ける仕事の中でも消防士として地元で市民の方々をこの手で助けたいと思ったからなんです。
そこで私は、どちらも同じ「人命救助」をする職業だけど、何が違うんだろう?と思うようになりました。
消防といえば、消火活動はもちろん、救急車で病気やけがをした人を病院へ搬送したり、災害現場で救助をしているイメージがあると思います。
自衛隊の活動というと、メディアでよく取り上げられるのは災害派遣の現場ばかりで、みなさんがよく目にするのは、被災地で現地の方たちを助けている姿ではないでしょうか。そのイメージは、消防とよく似ているのかもしれません。
しかし、実は大きく違うんです!!!!
消防は「救命」という行為を通じて、国民の生命・身体・財産を守ることが主な任務であるのに対し、自衛隊は日本の防衛だけの組織ではなく、災害派遣等により、日本または、世界の平和を守る「国際平和活動を目的とした組織」でもあるんです!
父が働いている自衛隊は、陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊の3つに分かれています。その中でもいろいろな職種に分かれていてそれぞれのプロフェッショナルによって成り立ってます。詳しい職種についてはこちら(外部サイトへリンク)をご覧ください。
今回は数ある職種の中でも私の父が26年間勤めていた海上自衛隊の機上救護員(通称:MEDIC)について説明します!
機上救護員(MEDIC)・・・准看護師など医療資格を有して航空機(UH-60J(外部サイトへリンク)) に搭乗し、救助及び救護を実施する隊員のこと。
海上自衛隊のMEDICは一般にはあまり知られていない部隊ですが、全国で現在44名しかなることのできない精鋭部隊なんです!
MEDICへの道のりはこちら!
MEDICは基本的に、自衛隊の為にある救助部隊なので、民間への対応が頻繁にあるわけではありません。墜落した航空機への人命救助や捜索は、強靭な体力と精神を持ち合わせる必要があります。
活動内容
東日本大震災での捜索
離島からの患者輸送(年間80~100回ほど)
訓練内容
ヘリからの降下訓練
海での潜水訓練
基地での救急訓練 など
第1位 専修科スクーバ課程(上の図参照)での訓練→HRSになり荒れた海の中で、自分自身が溺れてしまわないようにするため、2ヶ月間厳しい訓練を行いました。それを乗り越え、無事スクーバ潜水員の資格に合格した時の達成感は今でも忘れられません!
(補足)HRS(Helicopter Rescue Swimmer)・・・洋上艦(船)上及び陸上においてホイスト・ケーブルに繋がることなく、機外展開し、遭難者等を救助することができる。そのため、HRSにはスクーバ潜水の技術が要求される。
第2位 硫黄島での勤務→長期間家族と離れて暮らさなくてはならず、会えないことが精神的に辛いと感じた時もありました。ですが、月に一度の家族と過ごせる休暇を楽しみに頑張れました!
第3位 夜中の災害派遣→常に命の危険を感じる災害現場での活動は、気を張り続けなければならないため大変でした。ですが、どんな困難があっても災害等で携わった民間の方々からのお礼の手紙を頂くと「頑張ってきてよかった」とモチベーションに繋がり、やりがいを感じます!
以上が父から聞いた、自衛隊についての話でした!!私自身、父とこのように仕事内容について、詳しく話をするのは初めてでした。こんなにも大変だったのかと知り、改めて尊敬し、かっこよさを感じました!!
私が働いている消防は、消火(隊)・救急(隊)・救助(隊)などの24時間勤務で、現場活動をしているだけではないんです!ほかにもさまざまな業務があり、消防局や各署で事務を行う毎日勤務職員もいます。詳しくはこちらをご覧ください。
私は、その中でも消火隊として現在勤務しています。消火隊は「火災現場で火を消すことだけが仕事」だと思われがちですが、ほかにも救急現場や救助現場に行って活動もします!
消火隊は消防車1台につき隊長1人、機関員1人、隊員2~3人の4~5人で活動しています。隊長は現場で指揮をとり、機関員は運転手そして消火活動時は車両から水を出すための操作を行います。隊員は主に現場で消火活動等をします。
私は隊員として、勤務することが多いですが、昨年中型免許を取得したため、消防車の運転ができるようになり、機関員として少しずつ経験を積むため、地水利調査や操縦訓練、車両から水を出すためのポンプ運用訓練もやっています!
(ポンプ運用訓練風景)
そして、新たなステップアップとして、救急隊員になる資格を取るため、今月から千葉県消防学校(外部サイトへリンク)に2ヶ月入校し、救急に関する知識と技術を身に付けます!
まだまだ学びたいこと、挑戦したいことがたくさんあり、私も父のように自分の仕事を誇れるように一日一日を大切に精進していきたいです!
第1位 消防学校初任科での生活→4~9月の約6か月間、初めて会った人たちと初めての集団生活に、周囲への気遣いや自己管理をするのが大変でした。徐々に慣れ、仲良くなり、ともに訓練で汗を流した仲間はかけがえのない仲間になりました。真夏の炎天下での訓練は体力的に堪えるものがありました。そんなつらい訓練も仲間と助け合って乗り越え、終わった後に仲間と食べるご飯はとてもおいしく感じたことを今でも覚えています!
第2位 24時間勤務→24時間仕事をするというのは、慣れてきた今でもきついと感じることがあります。指令が流れれば仮眠中、入浴中、食事中などどんな状況であってもすぐに現場へ向かいます。どんなに疲れていても、市民の方から「ありがとう!」と言ってもらえるだけでやりがいを感じ、もっと頑張ろうと思えます!
第3位 体力の差を感じた時→やはり男女との体力の差で何度も悔しい思いをすることがありました。悔しい思いやつらい経験をする現場などもありますが、自主トレーニングを積み重ねマンパワーの必要な現場で隊長から任せてもらえた時の嬉しさは忘れられません!
また、救急現場や防火指導の際に女性がいてくれて安心した、話しやすかったと言ってもらえた時、感謝されたり、応援して頂けることで消防士になってよかったと感じることができます。
自衛隊や消防は日々訓練を行い、体力だけでなく、知識・技術もあわせて身に付けるようにしています。
組織や目的は違っていても、何かあった時に支え合うことで、市民を、国民を、日本を守ることができると思います。
自衛隊と消防で共通していることは、全職員が助けを求める誰かのために力を尽くしたいと思い、それぞれの仕事に誇りを持っているということです!
公務員に限らず、多種多様に職種、職業がある中で、将来自分自身がなりたい職業が何かわからなくなったり、迷うこともあると思います。他の仕事をしながら、自衛官や消防士を目指している方などにとって少しでも参考となり、後押しができればと思います!
今回のにじいろ通信はいかがでしたか??
本年もにじいろ救命女子は皆様にブログを通じて、消防についていろいろな情報をお届けいたします。
次回のブログもお楽しみに!!
情報発信元:消防局救急課 にじいろ救命女子
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