柏で強くなった女性総合格闘家、浅倉カンナ選手が9月29日に引退します！

　「正直いま、きついです。練習も追い込みに入り、減量も始まって、本当に余裕がない。でも、それすらも最後だと思うと頑張れるんです。」

　引退試合を1週間後に控えた柏が生んだ女性総合格闘家、浅倉カンナ選手（以下、カンナ選手）は、そう言いながらいつもの笑顔で取材に応じてくれました。

　「RIZIN女子スーパーアトム級グランプリ2017」の優勝後に初めて取材をさせてもらったのが2018年。当時はまだあどけなさも残る中に強い闘志を感じたのを今でもよく覚えています。あれから6年、彼女はRIZINの中で間違いなくスター選手へと成長しました。
　そんなカンナ選手が今年の7月28日に、あと1試合をもって現役を引退することを表明しました。

最後の試合に向けてラストスパート

　

　引退試合はもう目の前！最後の試合に向けて、いつも通りの練習や減量に取り組んでおり、なかなか実感がないと言います。そして、ここまで順調に準備はできていると。
　いつも一番近くで支えてきたカンナ選手のお母さんは「いつもの試合前と同じではないけど、考えるとひとつひとつが寂しくなるから、なるべく冷静にいられるように引退ということを意識しないでいます」と話してくれました。
　本人も周りの人も、いつもと同じように、浅倉カンナとしての大事なひとつの試合として、当日を迎える準備をしているのだな、と感じました。

引退を決めるまで

　

　今年27歳、体力的にもまだまだいけると思うし、ここからもっと試合が観たいと思ってた矢先の引退表明に驚いた人も多いかと思います。大きな怪我もしていないし、きっともっと強くなるのに何故？と。

　「このまま現役を続けていくのは難しいかもしれない」と昨年4月のV.VMei選手との対戦後あたりから感じ始め、ちょうど1年前、昨年の秋あたりから引退を意識し始めたそうです。
　今までは勝っても負けてもとにかく格闘技が楽しくて次への目標に向かっていたのに、この頃から、次負けたらどうしようなどと考え、目標を見失っていったそうです。
　もしかしたら、一昨年の対戦で敗戦したパク・シウ選手との対戦の頃からだったかもしれません。明確な理由や出来事があった訳ではなく、いつからか何かが変わっていった、そのことに真っ向から向き合っていった結果なのだと思います。格闘家にとって試合をするということは並大抵のことではなく、到底わたし達には想像できない世界です。いろんな覚悟を持って毎回戦っていたのだと思います。だからこそ中途半端な気持ちでは戦えない、と感じるようになったのです。

　「自分の居場所や目標が定まらなくなって、先がものすごく遠く感じた。色々迷い始めちゃったんですよね。このまま中途半端な気持ちのままでは格闘家としては生きていると言えないな、と思ったんです。」そうカンナ選手が話していたのが印象的で、きっとたくさん悩んで葛藤したのだろうなと感じました。

最後の試合で初めて相手を指名！

　

　最後の試合でカンナ選手は初めて相手選手を指名しました。その選手が、現RIZINスーパーアトム級チャンピオンの伊澤星花選手です。奇しくも、タイトルこそかかっていないものの新旧チャンピオン対決になります。

　私も何度か伊澤選手の試合を生観戦したことがありますが、本当に強い選手であるのは間違いないです。カンナ選手の中で、今まで対戦したことがない選手で、しかもそう簡単には勝てない選手をあえて指名したと聞いた時は、やるなぁ〜と興奮しました。

　現チャンピオンとはいえ、同じ階級で同じ年齢、今持っている最大のパワーとメンタルで挑めば勝利は見えてきます。どんな試合展開になるのか、どんな策で攻めるのか、相手はどう向かってくるのか、考えるとこちらが緊張してしまいますがワクワクします。

浅倉カンナという存在

　「自分は勝ったり負けたりで強そうでもないしギラギラもしていない、完璧なファイターではなかった」と本人は言います。でもいつも自然体でひたむきで正直で、そんな人間らしさが見えていたからこそ、浅倉カンナという選手はみんなから圧倒的に愛されていて、RIZINの中では唯一無二の選手だったのでしょう。
　そして、その親しみやすさゆえに、カンナ選手に憧れて格闘技を始めた選手もいます。同じジム（THE BLACKBELT JAPAN）の重田ホノカ選手は、今回の引退試合でセコンドにつくそうです。
　「自分の最後の試合を目の前で見て、さらに気持ちが高まれば、、」とカンナ選手は言います。

また、多くの人がカンナ選手の頑張りに今まで計り知れないパワーをもらっていたと伝えると、
「何かを与える職業だと思っているからそう感じてもらえるのはとても嬉しいけど、本当にそれ以上にもらったものの方が大きいです。本当に感謝しています」と言うのです。
彼女の魅力は、あぁ、やっぱりこういうところだなと感じました。

柏の皆さんへ浅倉カンナ選手からのメッセージ

　「柏でレスリングを始め、柏のジムで引退する。長い間、ここ柏で強くなっていたのだな」と思います。これが本当に最後の試合なので、たくさんの人に応援してもらえたら嬉しいです。
　最後の姿をぜひ見てください。

　

 

浅倉カンナ選手の引退試合「Yogibo presents RIZIN.48」は、以下の通り開催されます。

日時：9月29日（日曜日）　12時30分会場/14時00分開始

会場：さいたまスーパーアリーナ

 

伊澤星花選手と対戦！現チャンピオンを倒しにいきます！！

会場に来れない方にはPPV（ペイ・パー・ビュー）配信もありますので、

RIZINのホームページをチェックしてください。

 

せ〜の！カシスポ応援したいっっ！！

柏で生まれて柏で育ち柏で強くなった浅倉カンナ選手に、皆さん全力の柏パワーで応援をお願いします！！

 

【令和6年（2024年）9月25日掲載】