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更新日令和7(2025)年10月29日

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ロービジョンフットサル日本代表選手が柏市役所に!~大平英一郎選手~

みなさん、ロービジョンフットサルという競技をご存知ですか?
ロービジョンフットサルとは、「弱視」の方が、1人1人の視野を活かしお互いを補いながらプレーするサッカーのことです。

『弱視という世界』

このスポーツを知っていただく前に、視覚障害について知ってもらいたいと思います。視覚障害というと、目が全く見えないことを想像することが多いかもしれませんが、「弱視」という、視界全体がぼやけて見えたり、一点だけが見えたり、半分が見えづらいなど、様々な症状があります。今回ご紹介する「ロービジョンフットサル」は、そのような「弱視」の方が中心となって行われるサッカーです。

『ロービジョンフットサルとは』

1「©Haruo.Wanibe/JBFA」

ブラインドサッカーは、パラリンピックの競技にもなっており、全盲の方がアイマスクをしてプレーするサッカーとして、ご存知の方も多いと思いますが、ロービジョンフットサルは、パラリンピック競技には入っておらず、弱視の方がプレーするサッカーです。そのため、ロービジョンフットサルは、全く見えないのではなく、見えにくい状態でプレーしており、ボールは識別しやすい色の普通のボールを使用しています。キーパーに関しては、晴眼者でもプレーできますが、ペナルティエリアを出てはいけないなどの細かいルールの違いがあります。また、4人いるフィールドプレイヤーのうち、2人はより見えにくい選手が入らなければいけないという規定もあります。

『ロービジョンフットサルの日本代表が柏市役所に!』

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そんなロービジョンフットサルの日本代表選手がなんと柏市役所にいらっしゃいます。柏市のこども相談センターに勤務している大平英一郎さんです(以下大平さん)。

普段は柏市役所で勤務しながらロービジョンフットサルのクラブチームに所属し、平日はトレーニング、土日は試合などを行っています。なかなか家族との時間が取れないことが悩みの1つでもありますが、今は大きな目標に向かって日々励んでいます。

大平さんは弱視の中でも、全体的にぼやけていて見えにくいという症状だそうです。実は自分が弱視だった、ということを大人になってから認識したと言います。それまでは、なんでこんなに自分だけが視界が見えにくいのだろうと悩んでいたそうです。結婚して奥様に「弱視なのではないか?」と言われ、調べたところ、弱視という障害であったことを知りました。それが10年前の28歳の時です。そこから視覚障害者でも出来るスポーツとして出会ったのが「ロービジョンフットサル」でした。今まで、「なんで自分だけこんな苦しいのか」という思いを抱えながら生きてきた大平さんにとって、ロービジョンフットサルとの出会いは今後の人生への光だったのかもしれません。

『ロービジョンフットサル日本代表が世界大会へ』

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これまでロービジョンフットサルの日本代表は、2011年から2年ごとに世界選手権に挑戦してきました。最初は世界と互角に戦えなかったそうですが、確実に強くなっていっているのを実感している、と大平さんは言います。2年前の2023年大会は、4位という成績で惜しくもメダルまで届かず、目の前で表彰台に上がる他国の選手たちを見てものすごく悔しい思いをしたそうです。前回で一区切りと思っていた大平さんも、なんとしてもメダルを獲りたいという想いが溢れ、2025年大会にも挑戦することを決めました!

『これからの夢』

2「©Haruo.Wanibe/JBFA」

なんとしても世界大会でメダルを獲りたいという目標が目の前にはありますが、大きな夢としては「自分と同じような経験や思いを弱視の子どもたちにさせないこと」だそうです。なんで自分だけ見えにくいのか、と1人悩み続けていた大平さんは、ロービジョンフットサルと出会って、同じような境遇の方がいることを知り、競技を通じてそんな皆さんと協力しながら楽しむことや明るく生きていく目標ができました。弱視だからといってスポーツが楽しめないわけでもないし、仲間だって出来る。そういった選択肢を弱視の子供たちに増やしてあげることができたらという想いがあり、実際にクラブチームでもそういった活動を始めています。自分が苦しかった子供時代があったからこそ、ロービジョンフットサルに出会ったからこそ、出来ることがある!そんな大平さんの今後の活動にも期待しています。

チラシ「©JBFA」

そんな大平さんの今、目の前にある目標は「世界大会でメダルをとること!」
IBSA ロービジョンフットサル世界選手権 2025は、11月6日(木曜日)から16日(日曜日)まで、トルコで行われます。

〜見えるからこそ難しい。見えにくいからこそ強い〜

そんなスローガンを掲げているロービジョンフットサル日本代表。
まだまだマイナースポーツのため、遠征に必要な資金のためのご支援も皆さんから募っています。
詳しくは特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会のHP(外部サイトへリンク)をご覧ください。


せ〜の!カシスポ応援したいっっ!

〜ロービジョンフットサルで柏から世界へ〜

【令和7(2025)年10月29日掲載】

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アッキーのカシスポ応援し隊っっ!

執筆者:岡田亜紀(通称アッキー) 千葉県柏市在住。

柏レイソルをはじめ、柏市のスポーツ関連情報を紹介します。